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2011年7月23日土曜日

ウーファー(バックロードホーン)の設計(4)

待望の「長岡鉄男のオリジナル・スピーカー工作45」を、私の息子はニュービスタさんからお借りしています。 ご厚意大変感謝いたします。

で、30cmサイズのウーファー用のバックロ-ドホーンの設計があるのですが、やはりプロの設計だな~

音頭1.9m、で440×490×900の外寸で、21mm厚板3枚でつくれる!

私の設計(3)では、バッフルを2枚重ねとしたこともあるが、5枚も(どこにそんなに?)必要なのに、極めてシンプル。

スロート断面積=273cm2(スロート高さ6cmは同じ)
fc=166Hz
だが、1.9mで開口部になることから、開口率?Kは私の設計が1.04と直管に近いのに比して1.1近いと推定できる。

1980年以前であろうが、製作結果もバランスの良い音だったとの評であり、この設計を中心に進めることとします。

板取りが決まればまた詳細をお示しします。

なお、ウッドホーンのほうも、大変な45°斜めカットも自分で切ることを諦め、東急ハンズ横浜に頼み込んでなんとか受けてもらいました。

今日受け取ってきます。

2011年7月10日日曜日

ウーファー(バックロードホーン)の設計(3)

D-57より幅を広げて、奥行き、高さを縮めるつもりがそうはいかなそうです。

幅450mm、奥行き620m、高さ900mmが現在の設計です。 ずいぶん大きいな~
空気室は14.4リッター、fxは199hzとなりました。  

ホーンの広がり方を、10cm軸上の長さが進んだ場合のホーン断面積を、Sn=So×Kのn乗で表わした場合、この設計のKは1.04程度になりました。

板厚20mmのMDFを使用する予定です。

設計図面をP650の設計の時のように、ここに貼り付けようとしましたが、2回とも失敗(プログラムが応答無しとなる)したので諦めざるを得ません。

寸法が大きいのでエクセルもP650の設計図の4倍以上の重さになっておりこれが原因かもしれません。

板取り設計に入ります。

なお。エクセルは張り付けられないが悔しいので写真に撮って張り付けました。




2011年7月3日日曜日

ウーファー(バックロードホーン)の設計(2)

ウーファーユニットの選択をまずしなければなりません。

ネットで中古市場を調査した結果は以下のとおりです。

1)ハイファイ堂、オーディオユニオン、サウンドハイツ、PROSHOP A&P等で合計29台の製品を検索しました。 
いずれも25cm~38cmのウーファーユニットです。

2)国産はフォステクスとコーラル、YL音響の3社、3製品でした。

3)外国製が残りでJBLが最も多く、12製品、次にALTECで、GAUSSやエレクトロボイスなどでした。

4)価格と、製品の仕様が判るかどうかなどから、フォステクスFW305を選択し、実は昨日土曜日の昼前に発注したところ、本日の午前に宅急便で入手できました。

バックロードホーンの設計に入ります。

長岡鉄男先生の著書、オリジナルスピーカー設計術【基礎知識編】の31頁にスロートと空気室の設計方法が述べられています。

fx:ユニットの前方とホーンからの音の交差点(Hz)
Va:空気室内容量(l リッター)
So:スロート断面積(cm2) の時
fx=10×So÷Va

ただし、Vaは0.07a2~0.3a2、またfxは100hz~300hzの間が好ましいと記載されています。

長岡設計の中でも大型(20cm×1、2本)を調べてみると以下のようにです。

設計No. Va(l) So(cm2)  fx(hz) スピーカユニット
D-57  8.1 168        207 20cm1本
D-55  6.7 170   250 20cm1本
D-77  17  363   214 20cm2本

となっています。

FW305の場合の設計を行ってみます。
まずこのスピーカは20cmとは違い口径だけでなく、高さもかなりあります。120.5mmあるので余裕を見て空気室の奥行きは13cmとします。
横幅は一応45cmに、また30cmのスピーカーをとめるバッフル板を高さ40cmとして空気室の容量を計算すると;
Va=45×13×40=23,400cm2=23,4lとなりかなり大きいです。

長岡先生の本にも、空気室が大きい場合は、例えばその大きさがバスレフや密閉箱の推奨サイズに近ずくと、ほとんど制動がかからなくなる、と指摘があります。

従って、空気室のサイズをせめてD-77並みにしようと思い以下を実施する前提で再計算します。

対策ー1 全面バッフルを二重にし奥行きを2cm減らす(厚さ2cmの板を使用する前提です)
対策ー2 空気室の深さを2cm角材2本で合計4cm減らす。

この結果
Va=45×(13-2)×(40-2×2)=17.8l となった。
fx=10×So÷Va=209hz となり、ほぼD-77と同様の設計となります。

D-77は20cmフルレンジ2本の設計であり、その2本の等価的直径は20×√2=28cmなのでほぼ同じ条件かと思います。

次は音頭の設計と板取りを決めて報告したいと思っています。


なお、以下は自宅マンションで満開の紫陽花です。  大変きれいですがなんでこんなに暑いのでしょうね?
これから大変な木工作業が必要なのに!




ウーファーの設計(1)

ウッドホーンをつくる傍ら、ウーファーも作らねばなりません。  
なぜならウッドホーンはfc=290hzであり、500hzクロスオーバーから上を受け持つとして、その下がないと使用できない。  
一方我が家にあるスピ-カーは、TANNOYのブックシェルフとP650バックロードホーン(音道長=290cm)だけなので、これらはウーファーには成り得ず、逆にウーファーが先にできればP650バックロードの下を支えてくれます。
そこでウーファーも並行して作ることとします。

どういうタイプを採用するかですが、
1)密閉箱
2)バスレフ型
3)フロントロードホーン
4)バックロードホーン
などでしょうか。  世の中で見ると、1)が4割、2)が5.5割かな〜
3)はスペースがないと難しいでしょうね。  3)+バスレフの様な設計、TANNOYのGRFなども有るが設計は大変でしょう。
4)の選択に何故慎重かというと、肝心の長岡鉄男先生の設計例では、ウーファーのバックロードホーンの例が殆どないからです。

長岡鉄男のオリジナルスピーカー設計術図面集編1にはD-132として、FW208Nというフォステクスの20cmウーファーを使用した設計例が唯つ掲載されています。
ご丁寧にも文頭に、「ウーファーを使った、バックロードホーンはこれまで成功した例がないのだが、敢えてそれに挑戦したのがD-132」と書かれているが、何故成功しないかは書かれていない。
なおD-132ではFT48Dというツウィターをクロスオーバー1khzで使う設計になっている。

さらに設計例が無いか調べたが、調べてみると、長岡先生が、週刊FM1979年No4に30cmの設計を出されていたようですが、本は全国の図書館を調査してもありません。

オーディオ懐古録掲示板で誰かお持ちだろうかと問うたところ、その後、彼の著書「長岡鉄男のオリジナルスピーカー工作45」のP160以降に6機種のユニットを用いた物が記載されています」と教えていただいたのですが、この本もどこを探してもないですね。

もしどなたかお持ちでしたら、P160以降のコピーをいただければ有難いのですが。 その際はお礼を差し上げます。

さて、更に「世界でただひとつ自分だけの手作りスピーカーをつくる」(長岡鉄男著)を図書館から借りて読んでみると、何故ウーファーのバックロードホーンが難しいかのヒントを見つけました。

F-160という30CMを使用した2WAYの設計例がありますが、2WAYが最近減った理由がクロスオーバーを低く取れるツウィターが少なく、現在ではTANNOYしかないという説明があります。
ただし10万円、20万円するホーンを使えば別だがと。  

帯域の広いホーンを使用する前提では2WAYでも問題なく、したがってバックロードホーンも有りうるのかなと無理やり考えて、やはりバックロードホーンに挑戦することとします。

しかし、ネットで調べても設計例は少ないですね。

38cmではJBLのD130を使って山水が作ったバックロードホーンの設計図がありますが、音道がわずか1.3m程度であり、あまり期待できないと思います。

2000年頃に、30cmバックロードホーン製作記録を発表された方も、設計は上記山水製とほぼ同様で、音道が短いことを気にされながら、音には満足されていました。 ただしフォステクス30cmのPA用フルレンジなので、ウーファー使用とはことなります。

音道はある程度必要ですが、並行して作っているウッドホーンの開口部が45cm×45cm程度としてウーファーの高さは80cm程度でしょうか。  
これならホーン開口部中心が椅子に座った場合の耳の位置でしょう。

90cm×180cmの板からの板取上の合理性を考えると、幅、奥行は45cm以下で、ただし定在波を考慮して幅、奥行の寸法は同一にせず変える事で考えてみます。

即ちD-57状の音道の構造だが、高さと奥行を縮め、幅を広げることになります。