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2015年9月6日日曜日

中低音ホーンの設計と製作(2)

既に1年半ほど検討してきた、設計そのものを見直すこととなりました。

理由は、3,7m fc=50/63hzコニカルホーンが大きすぎて、重すぎて、どうみても資源の無駄であるからです。

写真ー1

写真ー2



上記、写真ー1,2がモックアップですが、この板取図が以下の写真の通りです。



写真ー3



板取図が1mx0.7mの方眼紙8枚いるという事は、915mmx600mmの板で8枚使って片方が出来るという事です。



板取図を片方のホーン分作ったところ、片側で概算140kgの集成材を使用することになります。 

実際のホーン重量は多分その7割程度かもしれないが、もう少し何とかしようと。



なぜ、fc50/63hz周波数にしたかと言えば、ドライバーYL75000が60hz以上が可能周波数となっているので、できるだけ低くから使えるようにしたわけです。

設計変更ではfc=70hzで再設計し、開口も80cmx70cmに抑えて、音道もほぼ1m短くすることができました。


音道 (cm) 開口面積(cm2) fc=70hz
内幅 内高 誤差
0 4.9 2.2 2.2 -1%
10 5.8 2.475 2.475 5%
20 7.2 2.75 2.75 6%
30 9.0 3.025 3.025 2%
40 11.4 3.3 3.3 -4%
50 14.6 3.8 3.8 -1%
60 18.7 4.3 4.3 -1%
70 24.1 4.8 4.8 -5%
75 27.5 5.1 5.1 -5%
80 31.2 5.1 6 -2%
85 35.0 5.1 6.8 -1%
90 40.3 5.8 7 1%
100 52.2 7.3 7.3 2%
110 67.5 8.1 8.1 -3%
120 87.5 9.3 9.3 -1%
130 113.3 10.5 10.5 -3%
135 129.0 11.1 11.1 -4%
140 146.7 11.1 13 -2%
145 167.0 11.1 15 0%
150 190.0 12.4 15.5 1%
160 246.1 14.95 16.5 0%
170 318.7 17.5 17.5 -4%
180 412.8 22.25 18.75 1%
190 534.7 27 20 1%
200 692.6 37 20 7%
210 897.1 47 20 5%
220 1,162.0 57 20 -2%
222 1,225.0 57 21 -2%
225 1,330.0 57 23 -1%
230 1,505.2 57 26 -2%
240 1,949.6 57 34 -1%
250 2,525.2 60 42 0%
260 3,270.9 63 51 -2%
270 4,236.7 66 65 1%
275 4,850.0 71 70 2%
280 5,487.60 80 70 2%



上の表に設計を示します。


誤算とは、理想的なハイパボリックホーンの開口面積からの誤差で、この誤差は音道に沿った伝達インピーダンスのずれであり、反射の元なので、少なく抑える必要があります。

一応10%未満を狙っています。



写真-4

この写真は、新設計の平面図です。  開構面は少し内側を向いていますが、ホーンが左右非対称なので、左側を通るのと右側を通るのでは、行程差があり、その分内側に向けることにより開構面での位相を保てています。


なおホーンの形状は、開構面から50cmほどで立ち上がり1m強あがって、右に90度ベンドしたのち今度は地上面におかれたドライバーに接続されるという形状です。





写真ー5



この図は、写真ー4の中に記載の、X - Y断面で切った断面図です。

ホーンの形状を、この図のように30-40cmごとに直錐で構成するコニカルホーンにしても、上図の右欄のように誤差が10%未満になることを確認しています。





写真ー6

この写真はホーンの側面図です。

以上の図を書いてみたが、前回の設計では、モックアップを作ってみないと構造がイメージできなかったのが、この設計はそこまでしなくても、わかりますね。

シンプルな設計となりましたので、これで作ることにしましょう。




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