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2012年7月28日土曜日

リスニングルームの音響学(2)

中々興味がある本なので、新幹線の中で読んでゆくことにしました。 

今年の夏休みは、これをやるか、あるいは金田式の何かをやるか、今迷っています。


第1章 リスニングルームの重要性
1.なぜリスニングルームが重要なのか

・部屋によってスピーカーの音が激変する
1957年~1994年、パナソノック在職中にスピ-カー試聴時に痛感した。

・オーディオ業界とリスニングルーム
部屋に関心を持った人は、雑誌社、評論家、オーディオショップ、メーカーそれぞれで少なかった。

・リスニングルーム設計の先逹
加銅鉄平氏は設計法を数冊出筆。  
筆者はその設計法で10近くの部屋を作成。  
ほかに永田穂氏(サントリーホールの設計者)等。  
これらの設計法について詳しく評価されなかった。  また効果もあまり顕著でなかった。  
従来法は残響時間の設計法がほとんどで、伝送特性設計はされていない。

・オーディオルームのことはユーザーまかせ
部屋を変えると、良い音が出せるのに3年かかる、というのが当たり前の風潮。

・リスニングルームについて関心を持ち続けた
筆者は関心を持ち設計、1980年に現在の「石井式」リスニングルームを考案。  
学会発表して国内より米国で反応。  
ジョージルーカス監督のスカイヲーランチのスタジオに採用。

(1)定年退職後研究に着手
1994年退職後個人で研究を開始。  
定在波の研究、続いて各モードの音の波面の動き、音圧分布を検討。  
従来国内では1次元のモード波面の動きしか紹介されず、ドイツで2次元が検討されていたが、3次元のモード波面の動きと音圧分布を明らかに。
定在波モードを明らかにした段階で無線と実験1997.6~1999.4に連載。

(2)「石井の黄金比率」の発見
定在波のモード周波数分布の研究を進め、モード分布が最も均一な比率を見つけた。  
PCのシュミレーションソフトでも検証し、この比率より天井が低いと大きな谷ができることを確認。
国内の発表はあまり評価されなかったが、1982年AESに論文を送って反応あり。
「ステレオサウンド誌」146号(2003.春)~161号(2007.冬)に新しい石井式を紹介。
無線と実験2007.6~10に技術面を発表し好評。

(3)実施例のデータが蓄積された
設計依頼が増え、大小取り混ぜて50以上の部屋が完成。  多くのデータが得られた。
スピーカーの置き方もノウハウが。  
リスニングルームはオーディオの中で、最も重要な機器である。
スピーカーキャビネットはスピーカーの振動版の後ろから出る不要な音を遮断するための物だが、大変な工夫がされている。
リスニングルームはスピーカーの前から出る大事な音を包み込む物なので、キャビネットよりはるかに重要だ

部屋の重要性を見抜いた先逹
(記載略)

専用室を作ろう
菅野沖考氏は専用にリスニングルームを作ろうと。  
最近の住宅のLDKスタイルの部屋は、悪条件が多いのは確か。
新しい理論を応用すれば、6畳間でも音響的に素晴らしい部屋を作ることができる。

部屋のことをもっと知ろう
評価の高い機器を組み合わせて良い音が出ない場合、原因はほぼ100%部屋にある。
まず必要なものはスピーカーの配置を変える。
本書のシュミレーションソフトを応用して。
リスニングルームはオーディオシステムにとって機器以上に重要なコンポーネント。
PCシュミレーションで定在波の影響を考慮したスピーカー配置を。

測定の重要性
従来はスピーカーの配置を変えて音が変わっても、リスニング特性を測定しなかった。  
現在はPCで簡単に測定ができるようになった。  
しかし山谷の多い測定値は見にくく、本書ではその見方もガイドする。

新しい発見
今まで部屋が完成すると、低域の良いところにスピーカーを設置して、更に中高域がよくなるように調整。
この方法が良いようだ。
シュミレーション結果では、天井の高さが低域に大きな影響を与えることが分かった。

作るなら良い音の部屋を
部屋を作るなら、吸音反射の新方式で作ることを勧める。
新方式の部屋でも、定在波はなくならないが、低域特性を平たんにしてうまく付き合って行ける。


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