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2012年2月17日金曜日

「はやぶさ」プロジェクトの講演会を聞いて

2月16日、富士ゼロックスさんの招待で、JAXA川口淳一郎シニアフェローの講演会を聞いてきました。

私も規模が600億円迄の複数の情報通信プロジェクトに述べ10年海外の3ヶ国で携わって来たので、プロジェクト管理には大変興味を持っており、いずれ本を書きたいと思っていました。

はやぶさのプロジェクトについて、色々な内輪話も含めてちょうど1時間の講演会でしたが、とても印象に残ったので以下に示します。  

なお私の速記による点で、誤解など有った場合は私の責任であります。

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小惑星探査の目的は、地球では地表から調査の出来ない深層部の成分を、小惑星を調査する事により明らかにして、地震発生のメカニズムなどの解明に役立てる。

はやぶさの独創的なところは、①イオンエンジン、②自律型ロボット機構、③弾丸発射によるサンプル採取、④帰還方法としてカプセルを直接突っ込ませた、⑤スイングバイ航法、であった。

どうして独創的な事が出来たかはJAXAの環境による。  

プロジェクトのモチベーションをどうやって維持できたかは、シナリオを作った時点で半分位終わっている。  

プロジェクト方針をどうやって決めて行くかの、プロセスそのものをチームに見せたのが、良い意見がどんどん出てきた理由となった。

2005.1.26にはやぶさは燃料を使い果たして一度死んでしまったが、その前にいとかわにソフトの不具合で弾丸を打ちこめなかった。  7週間目に電波を受信。  モチベーションを落とさないように、管制センターにはいつもポットのお湯を熱くしておいた。

NASAは機会有るごとに、はやぶさは素晴らしいが、世界で2番目で有り、スターダストが1番だと主張し、米国のモチベーションを落とさない作戦だが、技術的な難易度のレベルが違い、はやぶさはonly oneである。  

日本人は2番の方が安心であると思っているのなら問題だ。

日本を閉塞感に追い込むものはアイディア、創造力の欠如、日本から工場が消える事態など。  

日米の差は大学にもあり、米国大学院は20-30%は外国人で、卒業後米国に残る。  

日本は外国人も少なく、皆帰国する。  

日本は製造の国であったが、近隣諸国が追いついてきた。  

創造の国へと変わらないといけないので、人材の育成が必要だ。  

高い目標を超えれば、新たな水平線が見えてくる。 

Steve JobsのようなThink differentな人間が日本にでてきてもおかしくない。

はやぶさは、創造できるのだという自信と希望となったと思う。

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考えてみると、僕も人のやる事に続こうという発想は一切無く、思い詰めた事だけをやってきたし、上司の追認はあっても、指示はほとんど無かったな。

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